(1) 狭心症と心筋梗塞とは?
心臓の役割
皆さんが生活するにあたって、体は酸素や栄養分を必要としています。その酸素や栄養は血液によって全身に運ばれています。血液の通り道である血管をホースとすると、そこに血液を送る原動力となるポンプの役割をしているのが心臓です。その送血量は、1分間に5リットル、1日に7千リットル前後となり大型タンクロリー1台分にもなります。
狭心症
全身に栄養や酸素を送り出している心臓自身にももちろん栄養や酸素が必要です。心臓にも心臓自身を養うための血管があり、心臓を取り囲むようにして張りめぐっています。ちょうどかんむりのような形をしているので「冠動脈」と呼ばれています。この「冠動脈」が動脈硬化により狭くなり、心臓に栄養や酸素が充分行き渡らなくなると、「胸が痛い」「胸が締め付けられる」などの症状が出てきます。これが「狭心症」という病気です。
心筋梗塞
「心筋梗塞」とは、「冠動脈」が狭いのを通り越してつまってしまい、その血管によって栄養されていた心臓の筋肉が死んでしまう状態をいいます。「狭心症」とは血管が細いことが問題で心臓の機能にはほとんど問題がないのに対して、「心筋梗塞」は心臓の筋肉自体が死んでしまい、心臓の機能そのものが悪くなってしまいます。心臓の死んでしまった場所は、送り出す力が当然弱くなります。こうして、心臓の力自体も弱くなってしまい、心不全や不整脈といった状態に陥ってしまうこともあります。
(2) 動脈硬化性疾患になりやすい人
「狭心症」や「心筋梗塞」をまとめて「冠動脈疾患」と呼びますが、それではどのようなことが「冠動脈疾患」を引き起こしやすくしているのでしょうか?先ほど言った動脈硬化の原因、つまり「リスクファクター」と一般的に言われているのは次のようなものです。
- 加齢(男性 45歳以上、女性 55歳以上または閉経後)
- 家族に冠動脈疾患を持っている人がいる
- 喫煙
- 高血圧
- 高脂血症
- 糖尿病
- 肥満
- 運動不足
- ストレス
- A型人間
- 独身
など
では今後、動脈硬化を進ませないようにするためには何に気をつければいいのでしょうか?それには、がんと同じく「リスクファクター」の早期発見と早期治療が重要です。でも早期治療とは言ってもこちらは手術しなくても大丈夫です。ちょっとだけ生活習慣を変えるだけでリセットできるかもしれません。 病気になってから治療するのではなく、ぜひ先手を打って元気な未来を創りましょう。